井垣朝陽さんが2026年(第37回)日本建築学会 優秀卒業論文賞を受賞
2026/09/28
- 建築学専攻
受賞者
井垣 朝陽 さん(建築学専攻)
指導教員
清水 郁郎 教授(建築学部)
学会・大会名
日本建築学会
賞名
2026年(第37回) 日本建築学会 優秀卒業論文賞
発表題目

研究内容
ラオス南部のコーヒー産地では、生業が市場動向や気候変動などの外部条件に大きく左右される一方、不安定な生業環境のもとで住まいがいかに形成され、生業を支えているのかは十分に解明されていない。本研究では、48村における家屋実測と17世帯への聞き取り調査を通じて、家屋内の空間構成と生業の関係、ならびに親族が近接して居住する家屋群の構成と利用実態を分析した。その結果、生活空間と生業空間は家屋内外で柔軟に組み合わされ、家屋を越えた空間共有や労働交換が生業の継続を支えていることを明らかにした。
研究目的
本研究は、コーヒー栽培を中心とする不安定な生業環境のもとで、住まいが生業の維持・継続にいかなる役割を果たしているのかを明らかにすることを目的とする。特に、親族が近接して居住する「近接居住形態」に着目し、各家屋における生活・作業空間の構成を把握するとともに、複数の家屋間で展開される空間共有や労働交換の実態を捉える。これにより、個別の家屋単位にとどまらず、親族関係を基盤として生業を支える居住空間の構成原理と機能を明らかにする。
本研究では、住まいと生業の相互関係を明らかにしたが、「脆弱な生業景観」が親族ネットワークや居住実践を介して形成され、変動する生業条件に応答しながら変容する過程については、なお検討の余地が残されている。今後は、親族関係、家屋利用、労働交換、空間共有の実態を継続的かつ詳細に調査し、住まいが備える生業上の適応可能性を解明する。さらに、JICA草の根技術協力事業との連携を通じて、地域固有の住環境や文化的資源を観光に活用し、地域内経済の循環を促進することで、生業と居住環境の持続可能性を高める実践的方策を検討する。
