中川雅史教授が日本測量協会より応用測量論文奨励賞を受賞

2026/11/02
  • 工学部

受賞者
中川 雅史 教授(工学部)、久保 信明 教授(東京海洋大学)、清水 悦郎 教授(東京海洋大学)


学会・大会名

応用測量論文集、第37巻、日本測量協会

賞名
論文奨励賞

発表題目

ドーム型LiDARを用いた3D-SLAMのための距離画像ベーススキャンマッチング
nakagawa
研究内容
本研究では、移動しながら周囲の三次元形状と自己位置・姿勢を同時に推定するSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)の位置合わせ手法を改良しています。取得した点群を距離画像に変換し、レーザーの測距方向に探索を限定することで、点群の対応付けの曖昧さと計算負荷を低減します。広い視野を持つドーム型LiDARを船舶に搭載し、取得した河川沿いの橋梁や護岸などの計測データを用いて、従来手法との比較を通じて、三次元形状の再現性向上と処理時間短縮の効果を検証しています。

研究目的
本研究は、橋梁下や単調な護岸沿いなど、形状の特徴が乏しい環境でも、安定して三次元空間情報を取得できる測量技術の実現を目的としています。従来のLiDARによる計測では、移動量や姿勢の推定に失敗し、生成した点群に歪みが生じることが課題です。そこで、ドーム型LiDARの広い視野を活用し、点群の位置合わせ手法を改良することで、この現象を抑制します。あわせて処理の効率化を図り、広域の三次元地図作成の基盤構築を目指します。

今後の展望・課題 
本研究の成果は、デジタルツイン基盤の実現のみならず、社会インフラの高度化・維持管理にも活用できる可能性を有しています。国内の社会インフラは高度経済成長期に建設された構造物が多く、老朽化が進行している土木構造物が増加していることが社会的課題です。また、災害が多いことも国内の特徴であり、緊急災害観測技術の重要性は年々高まっています。本研究で開発した技術と、衛星観測や航空・UAV測量、地上レーザー測量、ウェアラブルデバイスなどを連携させた、多様な測量技術を組み合わせた手法を提案することで、これらの社会的課題の解決に貢献することが期待されます。