宇宙探査に、革新を。
月面を自在に
駆け回る車輪で、
宇宙の謎を解き明かす。
宇宙探査・テラ-メカトロニクス研究室
毛塚 雅人Kezuka Masato
地球の常識が通用しない過酷な月面環境。
従来の探査機では走行困難だった軟弱な大地を
走破する「スクリュ車輪型ローバ」の研究で、
未踏の領域を切り拓き、宇宙探査の可能性を
広げるイノベーションに取り組んでいます。
きっかけは、解明されていない
未知のものへのあこがれ。
幼いころから宇宙に興味があり、特に月や他の惑星で活躍する探査機にあこがれをもっていました。そのため、大学受験時から、宇宙探査ローバに特化したこの研究室に入りたいと思っていました。研究室配属後は、軟弱斜面という動きに制限がかかる環境に対して高い走破性を発揮する、スクリュ車輪の研究を紹介していただきました。このことに衝撃を受けるとともに、スクリュ車輪でもっと様々な動きをしたいと思い、この研究を始めました。
困難を極める
月面の探査環境。
月面上では地球上とは違い、ローバが走行する際に様々な問題が生じてしまいます。例えば、月面上では、レゴリスと呼ばれる細かい砂が堆積しており、起伏の激しい地形が広がっています。そのため、タイヤのような車輪型ローバが月面を走行する際にはスリップが発生し、身動きが取れなくなってしまうのです。特に難しいのが斜面上での方向制御です。私はこの問題に焦点を当て、スクリュ車輪を搭載したローバで解決したいと考えています。
スタックの問題を、
スクリュ車輪で脱け出す。
スクリュ車輪は地盤に沈下した状態から砂をかき出して走行するため、スタックして身動きがとれないといった問題を解消できます。また、学部生のときの研究ではスタビライザと呼ばれる転倒防止用の補助部品を利用し、旋回作用に必要な力のモーメントを発生させることで斜面上での旋回を実現しました。現在は、スクリュ車輪型ローバの斜面上での旋回の制御を最終的な目標としています。旋回を制御するための必要な要素がなにか、また旋回をするにあたってデメリットが生じるか、そして解決できるかを研究しています。
探査範囲の拡大で
新たな発見も可能に。
月面や他惑星上での探査は私たちが想像しているよりも難しく、走行方向の制御が困難です。過去には走行不能になったローバも存在します。そのため、探査ミッションの失敗や、探査範囲に制限がかかってしまう問題も生じます。私の研究は、今まで不可能だった走行上の問題を一つずつ可能にしていくものだと考えています。走行方向の制御が可能となれば探査範囲の拡大が可能になり、さらなる発見にもつながることができるかもしれません。月面上での探査の制限を解消していくことで宇宙環境での調査を大きく進展させることができると考えています。
力を借りることで
研究はよりよいものになる。
私は自分でペースをつくり、少しずつ物事を進めていくタイプだと思っています。しかし、学部生時の卒業研究では自分の思い通りに研究が進まず、何度もくじけそうになりました。そんな中で、ひたむきに研究に取り組む研究室生の姿勢に刺激を受けたり、先生や先輩、仲間からアドバイスをいただくことで、1年間研究を続けることができました。研究は自分一人で成し遂げられるものではありません。もちろん自身がひたむきに取り組むことは前提として、そのうえで周りの方々の助けを借りることで研究をもっとよいものにすることができると思います。